ドイツ・欧州の根底にあるもの
政府機関や民間企業の方々から、「欧州はそもそも、なぜこのようなこと(グリーン&デジタル・AI分野などにおける方策・措置)を始めたのか?その背景や根底には何があるのか?」とご質問されることが度々あり、折に触れて様々な方々に断片的にお話ししてきたことを1つの資料にまとめました。
ドイツ・EU の産業・技術政策の
・ 背景(歴史、産業構造、価値観、思想など)
・ 特徴
・ EU域内(ドイツとフランス)における違い
・ 批判と課題
ドイツ・欧州の交渉相手・取引先などと接する際に役立つ豆知識になるかと思います。
日本とドイツ・欧州の連携強化に向けて
ロシアによるウクライナ侵攻により、新たな世界秩序・地政学リスクを反映したグローバル化の再編が余儀なくされています。そのような中、日本でも欧州でも引き続きデジタル化(DX)と脱炭素化(CO2削減)の二重のトランスフォーメーションが最重要課題となっています。
米国のIT巨大企業(プラットフォーマー)と中国の国家資本主義に挟まれ、米中がそれぞれの技術・経済圏にデカップリング(分離)していく中、欧州も日本も独自の道を見出そうと模索。「同じ価値観を共有する欧州と日本の連携強化が戦略的に重要」との見方がEU・ドイツで広まっており、日本の企業・スタートアップや技術・イノベーションに対する関心が顕著に高まっております。
ドイツ・欧州には大企業が少ないこともあり、‘プレイヤー’としての存在感は(一部の大手企業を除くと)あまりありません。学術・基礎研究では優れていても、それを特許化・実用化・製品化することを苦手とし、「欧州のパラドックス」と称されています。その反面、(データ保護、AI倫理、プラスチック規制、電池規制など)デジタル世界やグリーン経済の‘ルール作り’や’審判役’として世界をリード。日本と欧州が上手く補完し合えば、中国などに対抗することも可能かもしれません。